君のママと そう、君のパパが出会ったキセキ

私は最高で最強で天才の超人なりたい

 

18歳の生誕イベント

終わりの挨拶で彼女が言った

なんでも出来る人間になりたいとも

 

完全なるアイドル超えて超人なろうとしている

 

僕に言わせれば彼女とっくに超人だった

顔は綺麗だし細いし足長いし歌上手いしダンスしなやかだしギター弾けるし

 

この世のありとあらゆる女の子を賞賛する言葉は彼女の為にあると思えたし

全てのラブソングは彼女を歌ったものに思えた

小出祐介の言葉を借りれば「女の子の最高傑作」であり、

野田洋次郎の言葉を借りれば「この世で唯一出会える神様」であり、

いや、僕の音楽的趣向はもういい

彼女は僕だけに見えている理想像かと思えたし

彼女が本当に人間であるかを疑った

 

しかし人間だった

ステージ上での涙は必死に隠しているし(兄者からの手紙ではあっさり泣いてたけど)、おちゃらけてる時は照れ隠し

特に1人でのパフォーマンスでは緊張が見てとれることも多い

今回だってギターを乗せた足が震えてる瞬間があった

 

そして超人に近づいていた

歌もダンスもギターも見るたびに上手くなっていると感じられた

歌唱は力強くなっていくし、ギターも毎回新たなレパートリーを見せてくれた

努力を見せまいとする彼女の努力は成果としてしっかりと見てとれた

 

彼女の上昇志向をしてアイドルとして完全であると、完全なるアイドルであると言おう

 

ことアイドルにとって、不完全であることこそが完全であると思う

「私は完璧を“嫌悪”する」とは涅マユリの言葉である

「ヲタクは成長過程が見たい、ストーリーが見たい」とは僕の友人の言葉である

その通りだと思う

完全でないこと、完全を求め続けることこそ完全なるアイドル

完全になってはいけない、きっとこの瞬間が完全なるアイドルだと知ってしまってもいけない

そんな危ういバランスの上での存在である完全なるアイドル

 

彼女は完全なるアイドルであると

 

超人になろうとしていて

超人になんてならないで

不完全な人間でいて

完全なるアイドルでいて