明日またもっと好きになってしまいそう

僕は特典券を持っていなかった。

あくまで特典は特典。グッズが欲しいから買う。と半分強がりで買ったTシャツとタオルはリュックに入れたまま椅子の下にしまい込んだ。

楽しみを1つ失った感覚まではしまえなかったようで胸の中に残った。

 

開演までの数十分、2人と2ショットを撮ろうと思ってたのにとか、平日と休日は違うな休日は平日より早くに来なきゃとか特典券を入手できなかったことばかり考えていた。

近くで推しじゃない分まで特典券を持ってるなんて会話をしてる人たちを妬んだ。

出入り口近く、通路を背にした席は人の出入りを感じてそれすら鬱陶しかった。

 

暗転。椅子から立ち上がる。Overture。ステージが始まる。

 

びっくりした。1人1人箱状のものからの登場。こんなに本格的な舞台装置のようなものは初めてじゃないかな。

メンバーがはけて1年を振り返る映像の最中、小玉梨々華さんがカルビ姉さんに。「大志を抱け!カルビアンビシャス!」のフリに使う。

と思ったら、カルビ姉さんこと小玉梨々華さんしかステージに出てこない。なんて茶番を眺めてたら

廣川奈々聖さんと松田美里さんがいた。

僕から斜め後ろ出入り口のあたり。「わぁ」って驚くような至近距離に。状況が飲み込めない。意味がわからない。わからないけどスマホのカメラを構えた。わーしっぷなので。きっと状況を説明してくれているであろう小玉梨々華さんの声は右から左に抜けていった。

 

松田美里さんは僕を通り過ぎて隣の女性に何かを渡した。近いよ。手が届いちゃうよ。俺にも頂戴よ。そっちに行かないでよ。

反対側の出入り口から登場したであろう三品瑠香さんが近づいてくる。はやくこちら側にきて。それを頂戴。間近まできて、離れていって、やっぱりこちらにきてくれた。渡していたものをくれた。ありがとう。

袋にコメントとサインの入った割り箸だった。

わんわんにゃんにゃん秋祭りでもお箸貰ったな。わーすたはお箸好きなのかな。

 

成長している感覚。個人としてよりグループとして、いやきっとグループ以上の括りで。

舞台装置、映像を絡めた演出、ステージを降りたパフォーマンス。ライブが舞台芸術になったと思う。きっと今までより多くの人が関わって、多くの時間がかかってる。

わーすたの規模が大きくなっている感覚。

5年目も6年目も見ていたい。

7年目も8年目もこの感覚が欲しい。

 

終演。充実感で胸がいっぱいだった。良いものを見た。良い時間だった。良い空間だった。特典会に向かう人たちのことは気にならなかった。僕が特典会に参加しないこともどうだっていい。

 

さて、どうやって時間を潰そう。

今からでも友だちを2部に誘おうかな。